仙厓礼賛展@出光美術館
10月に出光美術館に行きました。
出光美術館といえば仙厓さん。私も楽しみにしていた仙厓礼賛展(キャッシュ)です。
ユーモアあふれる禅画で知られる画僧仙厓。作品のほとんどは、仙厓が聖福寺の境内の虚白院へ隠棲してからの約25年間に制作されました。画題も禅話、風俗、風景、動植物など多岐にわたります。本展では仙厓の書画や工芸品95点を通覧し、作品に込められた仙厓の心の内に迫ります。
- 第1章 長寿は天からの授かりもの ―「老人六歌仙画賛」を中心に
- 第2章 力を尽くせば、必ず報われる ―仙厓画傑作選
- 第3章 楽しき思い出よ、いつまでも ―「書画巻」をめぐって
- 第4章 悠々自適な隠居暮らし ―旅行三昧・趣味三昧の日々
- 第5章 愉快なり、友との日々 ―仙厓流ユーモアを育んだ面々
充実の仙厓コレクションを出光美術館で観るのは一昨年の「大仙厓展」以来で堪能しました。メモもたくさん取りましたが、ブログに上げる余裕のない日々が続いているので、特に印象に残った作品名だけ(大仙厓展の感想では取り上げなかったものを特に)リストアップしておきます。
第1章 長寿は天からの授かりもの ―「老人六歌仙画賛」を中心に
1《老人六歌仙画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 43.2×53.9》
4《百寿老画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 134.0×55.6》
百以上の老人が集って大騒ぎ。
百歳白人 都一萬年 猶是有限 故迎南星於天 仙應請
5《老人画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 63.4×26.7》
後と云えは又も向いに来るへし
九十九迠ハ留すとこたへろ
第2章 力を尽くせば、必ず報われる ―仙厓画傑作選
11《狗子画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 34.4 ×26.8》
13《坐禅蛙画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 40.3×53.8》
15《○△□ 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 28.4×48.1》
18《堪忍柳画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 47.0×59.7》
気に入らぬ 風もあろふに 柳哉
19《菊画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 82.3×28.0》
21《牡丹画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 114.2×45.5》
うへを見よ 花のそたたぬ里はなし 心からこそ 身は畢しけれ
第3章 楽しき思い出よ、いつまでも ―「書画巻」をめぐって
22《書画巻(草稿) 仙厓義梵(1750 -1837)筆 文政5-天保5年(1822-34) 一幅 紙本墨画・墨書 31.7×676.8》
32《箱崎浜画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 75.0×27.0》
33《芥屋大門画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 115.1×55.8》
41《銅象鈕仙厓印 仙厓義梵(1750 -1837)遺愛 江戸時代 長3.2、高2.4》
第4章 悠々自適な隠居暮らし ―旅行三昧・趣味三昧の日々
43《門松(博多古謡)画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 文政3年(1820) 一幅 紙本墨画・墨書 104.0×39.7 》
67《高取竹図水指 仙厓義梵(1750 -1837)絵付 江戸時代 高14.8 》
高取焼の水差しで絵付けだけ。金継ぎあり。
81《芭蕉蛙画賛 仙厓義梵(1750 -1837)筆 江戸時代 二幅 紙本墨画・墨書 128.0×28.1、97.7×27.9》
第5章 愉快なり、友との日々 ―仙厓流ユーモアを育んだ面々
85《竹図 曇栄宗曄(1750 -1816)筆、仙厓義梵(1750 -1837)賛 江戸時代 一幅 紙本墨画・墨書 132.6×48.7》
昨日新移竹 今朝虻子多 仙卉
87《貧乏神葬式図 深慧源芳(1789 -1839)筆、仙厓義梵(1750 -1837)賛 文政7年(1824)一幅 紙本墨画・墨書 94.8×29.3》
深慧源芳の絵に仙厓が賛を記したもの。
我し死て おれ迷惑 こまごまの借は だれか拂喝 仙卉
90《炉蒲団図 深慧源芳(1789 -1839)筆、仙厓義梵(1750 -1837)賛 天保2年(1831)一幅 紙本墨画・墨書 26.6×44.2》
91《桜図 二川相近(1767 -1836)筆、仙厓義梵(1750 -1837)賛 江戸時代 一幅 紙本着色・墨書 88.1×43.0》
端正に描かれた桜の木に
楽みハ 花の下より 鼻の下 仙卉
95《涅槃図 斎藤秋圃(1768-1859)筆、仙厓義梵(1750-1837)・二川相近(1767-1836)・斎藤愚連堂(凹)(生没年不詳)賛 江戸時代 一幅 紙本淡彩・墨書 132.7×63.5》
釈迦の涅槃図に見立てて、仙厓が昼寝をしている様子を描いたもの。回りには知人が集まり、仙厓愛用の品々が描かれている。
松か枝に 垂れかけたくそか 納豆汁 仙卉
この日のラウンジから望む皇居の空は雲で覆われていました。
なんどもラウンジ休憩を入れつつも、疲労困憊して出光美術館を退出。いつものことながら出光美術館は体力を使います。展示室の暗さや肌寒さなのか、やはり情報量の多さが原因なのか。
あまりに疲れたので、帝劇ビル地下にある丸の内ディンドンへ。
大人のお子様ランチで糖質たっぷり摂取して、ようやく生き返りました。