博物館に初もうで@東京国立博物館 本館
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
博物館事始めは、今年もやっぱりトーハクから。恒例企画「博物館に初もうで」に行ってきました。
去年は新型コロナの感染者が増加傾向なのに怯えて断念したから、二年ぶりです。コロナ禍以前にあった和太鼓などの催しが自粛されているので、屋外は至って静かでした。
本館の主階段を見上げます。
本館階段ステージには、真生流家元山根由美氏の生花が飾られていました。
2階に上がり、特別1室・特別2室で開催している特集「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー‼」を見ました。
いつものトーハクと比べたらとても混んでるけれど、コロナ禍直前のあの異常なまでの混雑を知る身としてはこれくらい楽勝です。
《白釉鉄絵虎形枕 中国・磁州窯 金~元時代・12~13世紀》
展示物の中で最もアイコニックだったのが、この枕。解説によると、虎は魔除けの意味があったそうです。この枕で眠ったら、虎に守られて、よい正夢が見られるのかもしれません。
《老子龍虎図 旧金谷屏風のうち3幅 岩佐又兵衛筆 江戸時代・17世紀》
又兵衛様です。お久しぶりねと声をかけたくなりました。細部の気持ち悪さが、最高です。
《龍鳳虎蝠七宝如意 中国 清時代・19世紀》
如意は僧侶が法事の際に使う仏具です。孫悟空が持ってる自由自在に伸びるアレでございます。元々の使用目的は孫の手なんだとか。
僧侶の権威を表す道具らしいのですが、こちら七宝の模様が大変可愛らしいのです。
龍も虎も、大変ご機嫌そうなお顔をしています。
この絵柄でブローチとかにしてもらいたい。
お正月ですので、本館 2室にも足を運びます。
《◉松林図屏風 6曲1双 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀》
この時期だけのものですので、ぼんやりした松を背景に人の頭を眺めましょう。
本館 8室
《松梅孤鶴図 1幅 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀》
松葉が羽を広げたコウモリのようです。モチーフは縁起物なのに随所に不気味さが現れて、大変結構なことだと思います。
《布袋図 1幅 白隠筆 江戸時代・18世紀》
福がたっぷりの袋を口を使って広げる布袋様。縁起物はこうでなくちゃね。
正門前にも真生流家元山根由美氏の生花がありました。青い空に南天が映えます。
入館時には行列があったので、帰り際に撮影。
上野梅園で遅めのランチを取って帰りました。
今日は混雑していたので改めて見に行くつもりではありますが、何かと慌ただしい時期なのでどうなることやら。
また少しずつ陽性者数が増えてきております。
皆様方におかれましては、くれぐれもお体に気をつけて、今年もよき博物館での時間をお過ごしください。
咳の爺婆尊@弘福寺
東京の向島にある黄檗宗弘福寺に行きました。
弘福寺の山号は牛頭山、御本尊は釈迦如来で、隅田川七福神のうち布袋像が祀られています。江戸時代前期、延宝元年(1673年)に僧鉄牛道機の開山、稲葉正則の開基で当時須崎と呼ばれたこの地に建立。隠元隆琦が開山した黄檗宗大本山の萬福寺を模して作られました。
『江戸名所図会』 7巻 揺光之部 に江戸時代の様子が描かれています。境内の四角で囲まれた地名を読んでいくと、右手前の参道から、漢門、天桂石、観音、天王殿、楼閣、坐禅堂、浴室、食堂、大雄殿、牌堂、方丈が確認できます。
「木犀や六尺四人唐めかす 其角」とあります。大雄殿前の左右にある、二つのこんもりとした植栽が木犀です(刹竿旗もある)。駕籠を担ぐ人を六尺(陸尺)といいます。ふつう駕籠は二人で担ぐものですが、急用だったり、派手に大名等が移動する際には交代要員を伴って4人の担ぎ手(四枚肩)を使ったそうです。丸く刈り込まれた木犀を駕籠に見立て、当時最先端の様式だった黄檗様の華やかな雰囲気を唐風と詠ったのでしょう。
右奥にある森は秋葉権現宮千代世稲荷社(現 向島秋葉神社)、左隣が牛御前社最勝寺、弘福寺境内の裏(画面奥)に長命寺という位置関係です。
続きを読むクラシックホテル展ー開かれ進化する伝統とその先ー@建築倉庫ミュージアム
6月下旬、天王洲アイルにある建築倉庫ミュージアムへ『クラシックホテル展ー開かれ進化する伝統とその先ー』を観に行きました。
当初2月8日からの開催予定がコロナ禍で延期されていました。公式サイトで再開の案内を見て早速予約しました。
archi-depot.com
受付で『高山明/Port B「模型都市東京」展』のチケットが貰えました。
『クラシックホテル展』の前に、事前予約しておいた模型倉庫見学に参加しました。小型模型はスチールラックに無造作に並べられている印象。大きめの模型の一部は、別途スペースを設けて展示されていました。見学時間が限られているので、隅々を観るにはとても時間が足りません。模型を眺めるのは、水墨画に描かれる景色の中に想像で入るのに似て、かなり楽しかった。見学時間15分はどう考えても短すぎました。
模型倉庫の入り口近くの棚に『クラシックホテル展』の模型があって、あれ?これだけのスペース?と思ったのが率直な印象。なにせ一般 ¥3,100 の高額入館料でしたので。
続きを読む奇才―江戸絵画の冒険者たち―@江戸東京博物館
東京都慰霊堂から江戸東京博物館へ移動して、特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」を観ました。
緊急事態宣言解除後初の博物館訪問でした。
軽い気持ちで観に行ったら、初っ端が俵屋宗達作品。次いで光琳、山雪と続いたところで、これは期待以上の展覧会だとわかり小躍りする心地で周りました。
移動制限のある中だったこともあって館内がとても静かだったことも印象に残りました。こういった催しで、耳栓なしで鑑賞できたのは初めてだったかもしれません。夫に話しかけようとして声を出したら、やたら響くような気がして冷や冷やしました。まさか理想的な展覧会をこんな状況で味わえるとはね。
鷲神社寄贈の大熊手
ランチは館内の銀座洋食三笠會館へ。宣言解除直後だったこともあって、感染症対策が厳重に施されていました。特にマスク入れの袋が用意されていたのに感心しました。
チキンドリアです。
こちらを訪れたら、固めプリンを食べなくてはいけません。
これは私の義務です。
江戸博敷地内北側の歩道に、言問橋の欄干と縁石が残されていました。
東京都慰霊堂と重ねて、東京の災害の歴史に思いを馳せる一日となりました。