常温常湿希望

温度20℃湿度50%が理想です。

縄文展@東京国立博物館 平成館

土曜日だと言うのに、東京の人気の観光スポット東京国立博物館も空いていました。なにしろこの日は殺人的な暑さでしたから。
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行ってきました、縄文展

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最初の土曜日でしたが、それほど混雑はありません。入口前のビデオを見てから入りました。 続きを読む

日本美術の流れ@東京国立博物館 本館

6月末に早々に梅雨明けし、猛烈な風で日傘もさせず、夏の日差しが照りつける不忍池
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まだ蓮が咲き始めの頃でした。

風、強すぎ。
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強風のため、本館の正面の扉を閉鎖していました。
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三十六歌仙画

出光美術館で開催中の「歌仙と古筆」展で、柿本人麻呂がどう描かれてきたかを理解することができました。しかし、他の三十六歌仙はというと、まだまだ勉強不足。女流歌人、武官、僧、翁を見分けられたとしても、黒袍の衣冠になるとお手上げです。
ここに各歌仙の典型的なポーズをまとめておこうと思います。

藤原公任選の三十六歌仙

左方(18)

①柿本人麿(かきのもと の ひとまろ)
凡河内躬恒(おおしこうち の みつね)
大伴家持(おおとも の やかもち)
在原業平(ありわら の なりひら)
素性法師(そせい ほうし)
猿丸大夫(さるまるのたいふ)
藤原兼輔(ふじわら の かねすけ)
藤原敦忠(ふじわら の あさただ)
源公忠(みなもと の きんただ)
斎宮女御(さいぐう の にょうご)
藤原敏行(ふじわら の としゆき)
源宗于(みなもと の むねゆき)
藤原清正(ふじわら の きよただ)
藤原興風(ふじわら の おきかぜ)
坂上是則(さかのうえ の これのり)
小大君(こおおきみ)
大中臣能宣(おおなかとみ の よしのぶ)
平兼盛(たいら の かねもり)

右方(18)

紀貫之(き の つらゆき)
④伊勢(いせ)
山辺赤人(やまべ の あかひと)
僧正遍昭(しょうじょう へんじょう)
紀友則(き の とものり)
小野小町(おの の こまち)
藤原朝忠(ふじわら の あつただ)
藤原高光(ふじわら の たかみつ)
壬生忠岑(みぶ の ただみね)
大中臣頼基(おおなかとみ の よりもと)
源重之(みなもと の しげゆき)
源信明(みなもと の さねあきら)
㉖源順(みなもと の したごう)
清原元輔(きよはら の もとすけ)
藤原元真(ふじわら の もとざね)
藤原仲文(ふじわら の なかふみ)
壬生忠見(みぶ の ただみ)
㊱中務(なかつかさ)

歌仙の描き分け

佐竹本、業兼本、嵯峨本『三十六歌仙』、《三十六歌仙図 鈴木其一》などを見比べたおおよその傾向を下にまとめます。

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女流歌人(5)

④伊勢:裳だけなので袖の色数が少ない、右手を顔に

小野小町:裳唐衣。顔を最も隠しぎみ。額に手を当てる

斎宮女御:几帳に隠れる

小大君:裳唐衣で左向き

㊱中務:裳唐衣で右手に扇、もしくは、顔が下向き

僧侶(2)

僧正遍昭:赤黄色の法衣で右上を向く

素性法師:画面左向き

武官(4)

在原業平:青衣で矢を背負い右手を顎

藤原高光:赤衣で矢を背負う

壬生忠岑:黒衣か白衣。片膝付き足裏を見せた背姿

藤原敏行:黒衣の武官姿、文官姿の時は右手を顔に

翁(5)

柿本人麻呂:腕を開き、くつろいだ姿勢で画面左上を向く

山部赤人:目尻に皺。狩衣で画面右を向き両手を膝

⑪猿丸太夫:黒袍か狩衣で画面左向きの横顔

㉖源順:白狩衣か赤袍で画面右向きの横顔

坂上是則:立てた笏を右手で押さえ画面右を振返る

文官(20)

直衣・狩衣(9)

源重之:正面向き。左膝を立て扇を持った左手で頬杖

源信明:左手で頬杖をつき画面右方向に体を横に傾けて思案顔

藤原清正:画面右を振返る

藤原興風:左膝を立て手を顎に。衣冠束帯の時は左向きの横顔

清原元輔:赤衣もしくは画面右上を見て右手の笏を肩にかつぐ

藤原元真:太め。右もしくは右上を向いた横顔で萎烏帽子が前に倒れる

藤原仲文:右を向いた横顔で萎烏帽子が後に倒れる

壬生忠見:丸顔、右手に扇

平兼盛:太め。㉕と比べてより丸顔で体を傾ける

衣冠束帯(11)

紀貫之:立てた笏を左手で押さえる

凡河内躬恒:笏を持つ左手を顎に左膝を立てて振返る

大伴家持:右手に笏を持ち、画面右を振返る

紀友則:両手を腹の前で組んで目をつぶる

藤原兼輔:右手笏を持ち顔の前に立てる

藤原朝忠:瓜実顔もしくは太めで笏を持つ横顔

藤原敦忠:手をかざして画面右を振返る

源公忠:立てた笏を右手で押さえる

大中臣頼基:大きく太めの体。画面右向きで持ち物なし

源宗于:画面左向きで丸顔

大中臣能宣:㉓と比べてより画面左向き。もしくは、笏を両手で構える

 

いろいろ見比べていくと、業兼本、嵯峨本『三十六歌仙』あたりがより参照されているように思います。衣装やポーズが共通していて、見比べないと判断がつかないのが、㉓源宗于と㉝大中臣能宣、㉕藤原清正と㉟平兼盛です。

人麿影供900年 歌仙と古筆@出光美術館

体が溶けてしまいそうな日差しの下、出光美術館に行きました。有楽町駅からここまで歩くだけで、頭から湯気が出そうです。
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特別展人麿影供900年 歌仙と古筆(リンクは魚拓)です。
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メインビジュアルは鈴木其一の《三十六歌仙図》です。

今年は「人麿影供」が創始されてより900年。これを記念し、本展では重要文化財の佐竹本三十六歌仙絵「柿本人麿」をはじめとする多彩な人麿像とこれに関連する作品を特集展示するほか、歌仙絵の優品や、歌仙の名歌を記した名筆を交えてご覧いただきます。

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琳派−光悦と光琳@MOA美術館

箱根のお宿を出て、箱根登山鉄道で山を下りました。
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出山信号場でのスイッチバック後、出山の鉄橋を通過しました。
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塔ノ沢駅で数分の電車待ち。
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ホーム前の深沢銭洗弁天様にお参りする人が多かった。この後、箱根湯本、小田原を経由して、東海道本線で熱海へ向かいました。

熱海駅からはバスで移動し、到着したのはMOA美術館です。
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常設展@岡田美術館

開花亭で一休憩した後、岡田美術館の常設展に向かいました。
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一階、二階の陶器類の展示替えはなさそうなので飛ばして、前回来た時にはなかった二階の歌麿の複製から見ることにしました。

2階 日本絵画

《1 品川の月(複製) 原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:天明8年(1788)頃》
貸出禁制のフリーア美術館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、品川宿の妓楼相模屋の二階桟敷描いたもの。左奥にシルエットで客の姿。欄間の書や衝立などの調度品も豪華。

《2 吉原の花(複製)原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:寛政3~4年(1791~92)頃》
ワズワース・アセー二アム美術館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、吉原遊郭の大通りにある引手茶屋に集まる52人もの女を描いた華々しい絵。

《3 深川の雪(複製)原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:享和2~文化3年(1802~06)頃》
本館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、深川にある料亭の辰巳芸者が描かれている。

3階 日本絵画

金屏風

《4 松に鶴図屏風 狩野派 江戸時代初期 17世紀》
金地に金銀の切箔や野毛が散りばめられている部分があり、輝きが大変豪華。

《5 鞍馬・厳島図屏風 江戸時代前期 17世紀》
右隻に鞍馬、左隻に厳島の名所や風俗を描いた一双。鞍馬では花見や闘牛、厳島では喧嘩や鹿の群れが目立つ。

《6 春秋図屏風 森徹山 江戸時代後期 19世紀前半》
土筆、菫、桜、鳥、水流が描かれた屏風。雰囲気が好み。

《7 紅白梅図屏風 江戸時代前記 17世紀》
竹垣越しの紅白梅。新芽が四方八方に伸びて紅白の梅が咲き誇る。まるで花火のような勢い。

《8 扇面散図屏風 伊年印 江戸時代初期 17世紀》
四季の花や歌仙が描かれた扇面。背景は金地に墨でコントラストが入っている。扇面の散らし方にリズムがあるのが面白い。

《9 燕子花図屏風 神坂雪佳 大正~昭和時代前期 20世紀前半》
銀色の水流による透明感が印象的です。

水墨画

《12 山水図 曾我蕭白 江戸時代中期 18世紀後半》
一対の山水画。極細サインペンで描いたような筆感が面白い。近、中、遠を三濃淡でかき分けている。

13 飲中八仙図屏風 曾我蕭白 江戸時代中期 18世紀後半》
一扇ごとに、杜甫が『飲中八仙歌』に詠んだ伝説の酒豪らをコミカルに描いたもの。

《14 鯰図 長沢蘆雪 江戸時代中期 18世紀後半》
縦長の画面を上から下に肢体をゆらめかせて進む鯰を描いている。長いひげ、太い体が作るゆるやかなカーブが、おだやかな雰囲気をもたらしている。

【特集】戌年を祝う子犬大集合

《18 子犬に蕨図 円山応挙 江戸時代 安永8年(1779)》
蕨の生える斜面に五匹の仔犬。蕨と子犬は宗達にも由来する組み合わせ。

《19 子犬に綿図 円山応挙 江戸時代 中期18世紀後半》
綿の実と同じくらい柔らかそうな二匹の仔犬。白犬は柔らかい線画で、赤犬は一本一本の毛を丁寧に描いている。赤犬の、白目が見えるほど後ろに引いた耳に、臆病な性格がみえる。

《20 子犬図 円山応挙 江戸時代 安永5年(1776)》
雪の上で遊ぶ三匹の仔犬。白黒の背中に白犬が乗り、その奥に黒犬。

《23 群犬図 円山応挙 江戸時代 安永2年(1773)》
番の犬の周りに一三匹の仔犬。どれもころころとして、愛らしい。

《24 群犬図屏風 長沢蘆雪 江戸時代中期 18世紀後半》
背景に金銀の砂子が用いられた華やかな屏風。母犬と五匹の仔犬が描かれている。応挙のよりものんびりとした表情。

東海道五十三次蒔絵書箪笥 江戸時代 19世紀》
日本橋の袂に確かにいる。単眼鏡でかろうじて見えるくらい。拡大表示したパネルがなければとても見つけられなかった。

名所絵

《31 東海道五十三次(6図のみ展示) 歌川広重 江戸時代 天保4~5年 (1833~35)》
展示は、三十番目の宿場町、舞坂から御油までの六図。御油の、留女が旅人を引っ張り込もうとしている絵は何度見ても面白い。

《33 名所鳥瞰図屏風 佐久間草偃 江戸時代中期 18世紀末期》
右隻には京都あたりから東を見た鳥瞰図で、琵琶湖、伊勢湾、富士山など広大な風景が広がっている。あまり描かれない方向だったのと、想像を超えた広さに、一瞬どこを描いているのかわからなかった。左隻は住吉大社の御田植や天神祭の船渡御など関西地方の祭りが描かれていて、大変賑やか。

近現代の絵画

ウェブサイトの目録と展示が異なりました。

《瀑布の図 菱田春草 明治時代後期 20世紀初頭》
縦長の画面いっぱいに描かれた瀑布。滝壺は朦朧体で、滝の周りはパレットナイフで描いたような長方形の光が印象に残る。

《松間の月 菱田春草 明治時代後期 20世紀初頭》
砂浜に植わったやや傾いだ細い5本の松。シルエットが月の光に浮かび上がる。

 

岡田美術館の常設展目録はウェブサイトからダウンロードができます。受付や展示室にプリントアウトの用意がない上にスマホの持ち込みもできないので、メモを取るのに苦労しました。前回も同じ目に合っているのに学習していない。本当は施設側で準備してほしいものですが、客あしらいを見ると期待できそうにないので、次はプリントアウトして持ち込もうと思います。

 常設展で頭も足も疲れたし体もすっかり冷えたので、足湯に行って休憩。
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この日は曇りの天気予報で、午後から気温が上がると思っていたのですが、なかなか暖かくなりません。風も出てきてますます寒い。もう一枚着てくるべきでした。

寒いけど甘い物も食べたい。
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足湯の暖じゃ足りなかったようで、この後お腹を壊しました。

田中一村の絵画@岡田美術館

箱根に行ってきました。泊まっていたお宿の最寄り駅、大平台駅から出発。
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大平台は箱根登山鉄道スイッチバックを行う駅で、麓から登ってきた列車がここで折り返します。
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駅に列車が止まると、先頭車両にいた運転手さんが後方車両までホームを移動して、さっきまで後方車両だった車両が今度は先頭車両となって線路を登ります。急斜面を進むためのジグザグ走行です。

この時期は、車内から紫陽花を楽しめます。
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踏切り付近ではアジサイの他に撮り鉄さんの頭もたくさんみえました。

急カーブも多く、車内からも石積みの橋脚がよく見えます。
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小涌谷駅で下車しました。
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ここから目的地まで徒歩約20分「国道をひたすら登る」。
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霧雨で全身がしっとりしてきました。

国道1号沿いにあるホテル小涌園を通過。
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施設の老朽化の問題で今年1月に閉館したことを、入り口横のパネルで知りました。

左に行けば岡田美術館、右に行けばユネッサンという三叉路。
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どっちにも行きたいけど、今回は左へ。

帰りはバスにするので、時刻表をチェックしておきましょ。こちらは、箱根登山バス
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そして、伊豆箱根バスもあります。便数が多くて便利ですね。
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かくして、霧雨でしっとり濡れた岡田美術館に無事到着しました。
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www.okada-museum.com

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