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「ベルギー奇想の系譜」展スペシャル・トーク@Bunkamura ザ・ミュージアム

三連休の最終日はBunkamura ザ・ミュージアムのベルギー奇想の系譜展へ。
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展示作品については、別記事にのんびりまとめるとして、先に、Bunkamura内特設会場で行われたスペシャトークイベントの様子を紹介します。
個人的にフランドル絵画と日本画どちらも大好きなジャンルなので、特に「奇想の系譜」の著者である辻先生の視点から両者の共通点、相違点などのお話があるのを期待して行きました。

www.bunkamura.co.jp

 

出演は、日本美術史家の辻惟雄先生と國學院大學教授で西洋美術史家の小池寿子先生、モデレーターとして美術ジャーナリストの藤原えりみ氏です。

 

まずは登壇者の紹介で、辻先生が「私、何でここにいるのか訳がわからないんですけども」の一言で会場大爆笑となってトークショーが始まりました。流れとしては、小池寿子先生のベルギー美術の19世紀までの変遷についての話があり、次いで、辻惟雄先生による日本美術史に登場した奇想の画家の話と続いて、最後に質問受付でした。

何をもって奇想とするかについて、小池先生は、幻想、気まぐれ、超自然的、理性では把握できない現象;supernatural, fantastic ( angels, demons, fairiesetic ), magic, eccentric, grotesque なものを描いたもの、そして、主流に対する亜流・傍流、中心と周縁、理性と感性、王道と邪道など対立関係のあるものを表す用語のひとつと定義されていました。

有償トークショーなので詳細は控え、スライドに出た作品をここに残します。

《トゥヌグダルスの幻視 ヒエロニムス・ボス工房》
《聖アントニウスの誘惑 ブリューゲル(父)》
《聖母子と二人の天使 ハンス・メムリンク
《ヘントの祭壇画 ヤン・ファン・エイク
《快楽の園 ヒエロニムス・ボス》
《楽園図 ヒエロニムス・ボスの追随者》
《「トゥヌクダルスの幻視」時祷書の挿絵 シモン・マルミオン》
七つの大罪と四終 ヒエロニムス・ボス》
《「我ら救世主のぶどうの木」説教集の表紙絵》
《冥府へ下るキリスト ブリューゲル(父)》
《「カトリーヌ・ド・クレーヴの時祷書」の挿絵「地獄の口」》
《聖アントニウスの誘惑 ヒエロニムス・ボス》
《パノラマ風景の中の聖アントニウスの誘惑 ヤン・マンデイン》
《聖アントニウスの誘惑 マルティン・ショーンガウアー》
《「ハルトマン・シェーデル世界年代記」の挿絵》
《イーゼンハイムの祭壇画 マティアス・グリューネヴァルト
《聖アントニウスの誘惑 クエンティン・マサイスとヨアヒム・パティニール 》
レオナルド・ダ・ヴィンチカリカチュア
《聖アントニウスの誘惑 ヒエロニムス・ボスの追随者》
《聖クリストフォロス ヒエロニムス・ボス派》
《聖クリストフォロス ヤン・マンディン》
《「マリー・ド・ブルゴーニュの時祷書」の挿絵》
《「皇帝マクシミリアンとマリー・ド・ブルゴーニュの時祷書」の挿絵》
《死の舞踏 バーント・ノトケ》
《アンドレアス・ヴェサリウス著「人体構造論」の挿絵》
《胴と頭の部分のある、左の腕と手を二方向から見た図 ペーテル・パウルルーベンス
《官女観菊図 岩佐又兵衛
伊勢物語・梓弓図(旧金谷屏風) 岩佐又兵衛
動植綵絵 雪中錦鶏図 伊藤若冲
《群仙図屏風 曾我蕭白
動植綵絵 老松白鳳図 伊藤若冲
源頼光公館土蜘作妖怪図 歌川国芳
《人々の群れを駆り立てる死 ジェームズ・アンソール》
《相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国に妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす 歌川国芳
ティンパニー レオ・コーペルス》
フランダースの戦士(絶望の戦士) ヤン・ファーブル

 

小池先生からベルギー美術について、辻先生から日本美術についてと別々に奇想を語っていただく内容でした。特に小池先生のお話は大変興味深く、バスハウスや皮剥ぎ盗賊の話など強烈な話もあり、時間を忘れて聞き入りました。