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「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ@出光美術館

7月末から始まっていたにも関わらず、なまじ近いためにいつでも行けると放置しておいたら会期半ばになってしまい、あわてて訪問。楽しみを後回しにしてしまう性格が仇になっています。
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出光美術館です。今回、「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ(キャッシュ)を観に行きました。

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古来、交通の要所であったとはいえ地方都市のひとつにすぎなかった江戸は、徳川家康(1543 - 1616)の移封と開府をきっかけに、目まぐるしい発展をとげてゆきました。勢いを増す都市の景気は、絵画制作のかっこうの動機となったとみえ、その活況をとらえるいくつかの絵画が今日に伝わっています。
(中略)
本展では、「江戸名所図屏風」のほか、江戸の町を題材にした絵画の数々をとおして、画面にみなぎる新興都市の活気をご覧いただくとともに、京都の姿をとらえた絵画(洛中洛外図)に替わる新たな都市景観図の成立と展開、絵画史的な意義や絵画そのものの魅力に迫ります。

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ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展@三菱一号館美術館

展示の評判がよさそうなのと、紹介されていたカフェのデザートメニューが魅力的だったので、三菱一号館美術館に行きました。この日は猛烈な暑さになったので、日差しを避けて、東京駅南口から地下を通って三菱一号館美術館に行きました。天気の悪い日でも行ける美術館は貴重です。

 

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展は、フランスのハイジュエリーブランド、ショーメ(Chaumet )の歴史と伝統、職人の技術を紹介する展覧会です。

mimt.jp

チケット売り場には行列があって、さらに入場制限がかかっていました。評判が良いのは聞いていたけれど、まさかそんなに混んでいるとは思っていなかったので驚きました。とはいえ、10分も待たずに入れましたけどね。

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和のあかり展@目黒雅叙園百段階段

夏の恒例イベント、目黒雅叙園の百段階段の和のあかり展に行きました。例年七夕の時期に行くのですが、今年はスケジュールが合わなくてお盆前にようやくです。回廊の七夕飾りはとっくに片付けられていました。

百段階段の受付前です。
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会期が長いこともあって、それほど混雑していませんでした。

www.hotelgajoen-tokyo.com

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螺鈿のエレベーターで上がると眼の前に暖簾が掛けてあり、いつもと雰囲気が違いました。和のあかり展に行くのは今回で4度目ですが、いろんな趣向があって飽きずに楽しめます。

今年も階段にはコケシがずらり。しかも全てお布団つき。
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ひとつひとつお顔が違うので、お気に入りを探しながら一段一段進みます。

最初のお部屋、十畝の間です。
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日本画家、間島秀徳氏の豪快な水流に囲まれ、中央には折花作家、三谷基氏の白く輝く花々、その周囲に土のかまくらプロジェクトによるかまくらと林貴俊氏のコケシたち。
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漁樵の間には大迫力の青森ねぶたが浮いていました。
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何もない時でさえ豪華な彫刻に圧倒される部屋なのに、巨大ねぶたの光でさらに迫力倍増。浮いて見えるのは、光沢のある床材を置いてあるからです。

草丘の間は、MIRRORBOWLERによるインスタレーションアートできらめいていました。
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ミラーボールの中心に見える輝くような白い花は、かんざし作家榮氏のアメリカンフラワー作品です。

静水の間では早川鉄兵氏の切り絵作品が並びます。
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アクリル板の切り絵もありました。淡い色彩に光が抜けて素敵です。
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清方の間には銭湯絵師の中島盛夫氏の屏風がありました。
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画材はペンキでしょうか。富士山を描ける貴重な銭湯絵師の一人です。

そして、上出長右衛門窯上出惠悟氏の笛吹湯呑。
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ブラックライトを当てると、骸骨だけが光ります。

昭和レトロ図絵師の安楽雅志氏の「大砲ビール」は直球で夏ですね。
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その隣には山田全自動氏の笑いある漫画もありました。

頂上の間はどの部屋よりも涼しげ。
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足元は青いタイル貼りで砂浜の浅瀬が現され、天井には篠原風鈴本舗の江戸風鈴がそよぐ空間に、一葉式いけばなの粕谷尚弘氏の作品が置かれていました。タイルの冷たさが気持ちよくて、このまま眠ってしまいたくなるほどでした。

 

【再訪】野口哲哉展

奥野ビルからの帰りに、近いのでポーラミュージアムアネックスに立ち寄りました。二度目だから気楽と思っていたら、なんと展示替えがされていました。

《人体の寓意 ~ミケランジェロに基づく~》
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これ、以前に青山のGALLERY GYOKUEI開催のドローイング展で、自作解説されていた時に使われてたもの?

《BLACK & DOTS》
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ポーラのロゴの黒と新しいシンボルであるポーラ・ドッツの水色地に白の水玉を身につけたサムライたち。飄々とした表情で遠くを眺めています。

壁の絵も新しくなりました。
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《旅する侍》
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西洋の風景画を背景にしても野口氏の侍は自然です。それにしても、この顎を突き出した猫背っぷり。肩こりに悩んでそうなほどストレートネックなのが現代人じみてて笑えます。

《AD1585~赤母衣と空~》
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確かに、母衣は風を孕んで飛びそうだと、私も思います。

《Lady beetle》
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胴の水玉模様で分かる通りテントウムシです。両手を広げ、心は飛び立ちそうなのが、見ていていじらしい。

 

帰り、同じビル2階のHIGASHIYA GINZAで一休憩。
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ティーサロンスタッフの美しい所作に見惚れながら、山椒餅と静岡煎茶を頂きました。網目文様が夏らしくて涼しげでした。

アモーレ宝石箱・壱@アモーレ銀座ギャラリー

姪っ子のお友達が作品を展示していると聞いて、お供で銀座のギャラリーへ行きました。
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タイル貼りのずいぶんと雰囲気のあるビルだと思って調べたら、なんと築85年。設計者は同潤会アパート建築部に所属していた川元良一氏で、九段会館を設計された方でした。

もちろんエレベーターは手動です。民間の住居ビルについたエレベーターでは最初のものだとか。
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手動のエレベーターは以前にも使ったことがあったので、不慣れながらも無事に乗れました。たまにこの手のは、出た後に「閉」ボタンを押さないと別の階の方が使えなくなるものがあるので注意です。

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なりきり日本美術館@東京国立博物館 本館

トーハク夏休み企画として、NHK Eテレびじゅチューン!」とのコラボレーション「なりきり日本美術館」が、本館1階の特別4室・特別5室を使って開催されています。

www.tnm.jp

本館の階段脇で見返り美人がギュンギュン回っているので、気が付かない人はまずいないはず。
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よい香りが漂う通路を通り過ぎると、大きなスクリーンに《冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏 葛飾北斎筆 江戸時代・19世紀》の大波が映し出されていました。
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小船に見立てた座席から浮世絵に描かれたビッグウェーブを体験できます。

こちらは、《名所江戸百景・大はしあたけの夕立 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857) 》の雨の表現を観察するコーナー。
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浮世絵版画の作り方として摺り工程の見本が展示されていました。こんなところにも陰影が加えられていたのかと驚かされます。

本館18室に《冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏》と《名所江戸百景・大はしあたけの夕立》の原本が展示してあるところが、さすがはトーハクなのでした。

 

インフォメーションコーナーを通り過ぎて特別4室に移動すると、洛中洛外図屏風(舟木本)の複製が展示されていました。
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ここでは屏風に描かれている食べ物を探そうというクイズがありました。5月の名作誕生展で原本を食い入るように見たばかりなので楽勝かと思いましたが、実際にやってみると意外と見つからず大変でした。

その他、《見返り美人図》や《麗子微笑》のコーナーもあります。

 

特別室以外にも、夏休み企画の一貫としてハンズオン体験コーナーがいくつか設けてありました。
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複製とはいえ、これだけ精密な土器を触れる機会は貴重です。思う存分触ってニマニマしていたら、通り過ぎる外国人観光客に怪訝な顔をされました。