常温常湿希望

温度20℃湿度50%が理想です。

京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ@東京国立博物館平成館

東京国立博物館平成館で開催中の「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展に行ってきました。
f:id:Melonpankuma:20181026173826j:plain

www.tnm.jp

京都市上京区に所在する大報恩寺は、鎌倉時代初期に開創された古刹です。釈迦如来坐像をご本尊とし、千本釈迦堂の通称で親しまれています。本展では、大報恩寺秘仏本尊で、快慶の弟子、行快作の釈迦如来坐像、快慶作の十大弟子立像、運慶の弟子で、行快とほぼ同じ世代である肥後定慶作の六観音菩薩像など、大報恩寺に伝わる鎌倉彫刻の名品の数々を展示いたします。

以下、気になったものについてメモを残します。

大報恩寺の歴史と寺宝―大報恩寺と北野経王堂

10《北野経王堂図扇面 1面 室町時代・16世紀》
北野経王堂は大報恩寺の近い北野天満宮にあった仏堂。六観音菩薩像は元はこちらに納められていたという。お堂に並んで座った僧侶たちが経典を読む姿が描かれている。揃って大きく口を開けた姿が微笑ましい。

聖地の創出 ―釈迦信仰の隆盛

1《◎ 釈迦如来坐像 行快作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
年に数回しか公開されない秘仏本尊。快慶の一番弟子行快の作。螺髪にはトラックポイントのような赤い肉髻珠。釣り上がった目尻に厳格な表情を感じる。

2《◎ 十大弟子立像 快慶作 10軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
行快作の釈迦如来坐像を囲んで、舎利弗、目犍連、大迦葉、須菩提富楼那迦旃延阿那律優婆離、羅䉩羅、阿難陀の立像が露出展示されています。通常は保存環境やその他の理由で、本尊釈迦如来像以外の文化財はすべて収蔵庫に保管されているので、釈迦如来十大弟子立像が並んでいる状態に置かれたのは半世紀ぶりだという。
さすが快慶と思わされる写実性のある立像。大きさは1メートルほどで実物大というほどではないが、夜中に動き出しても不思議ではないほどの存在感がありました。私的には仏涅槃絵で馴染み深い十大弟子ですが、絵でもよく美しく描かれる阿難陀尊者はやはり若く端正な顔立ちですが、阿那律尊者もかなり若々しいお顔。失明しているとこから、空をみているような表情が印象に残りました。

4《天王および羅刹立像 6軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
天王と羅刹5軀が揃って展示されています。《十大弟子立像》のある部屋の隅にあるのですが、こちらも異様な雰囲気がありました。羅刹が怪物じみた造形なのが面白い。手など欠損が激しいのが残念でした。

六観音菩薩像と肥後定慶

6《◎ 六観音菩薩 肥後定慶作 6軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺

 

聖観音千手観音菩薩馬頭観音菩薩、十一面観音菩薩准胝観音菩薩の立像と如意輪観音菩薩坐像が一室に並んで露出展示されています。赤い壁に映る影まで美しい。

出口近く、最後の6-1《聖観音菩薩立像》だけ撮影可でした。
f:id:Melonpankuma:20181026173855j:plain

横からも。光背と像は接しておらず、蓮華の台座から立ててあるのがわかります。
f:id:Melonpankuma:20181026173845j:plain
10月30日からは光背を外した形で展示されるそうで、背中を観るチャンスです。

特設ショップではオリジナルグッズの販売がありました。
f:id:Melonpankuma:20181026173837j:plain
魅惑のグッズ盛りだくさんで煩悩が刺激されます。諸々お買い物しましたが、聖☆おにいさんコラボのTシャツだけは、一体どこで着る気だと自問し既の所で踏みとどまりました。

 

トーハクの特別展は物量で攻めてくる印象がありますが、今回はそんなことはなく、スペースも控えめに平成館二階の半分を使っての展示でした。個人的にはこれくらいのボリュームが集中力を保ててちょうど良い。いつも情報量に圧倒されて精根尽き果てて会場を後にしますからね。でも、入場料はいつもの特別展と変わらず一般1400円だったので割高に感じました。残りの半分の展示室では「マルセル・デュシャンと日本美術」展が開催中。2展セット料金が2000円だったので、トーハク的には両方観てね☆という試みだったのかもしれませんが、関連性がないのを続けて観ると双方の印象が散漫になりそうだったので止めました。

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com

豊洲市場から築地に向かう度に、晴海大橋にまで行列を作っているのをよく眺めていました。

上京した友人と一緒に新豊洲駅にチームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com へ行きました。
f:id:Melonpankuma:20181023191115j:plain
トーハクでチームラボのインスタレーションは何度も見ていたので、期待しかありません。

planets.teamlab.art

平日午後で、ほぼ並ばずに入場できました。
入ってすぐのスペースに列を作らされて、展示案内と注意事項がモニタに映されます。放送が終わると指示に従って、その場で靴を脱いで素足になり、すぐ近くの無料ロッカーに靴や荷物を預け、必要ならば着替えます。

 

ようやく入場。そして、いきなり水。
f:id:Melonpankuma:20181023191119j:plain
ざばざば水が流れる坂を鮭のように上ります。ふむふむ、ここでみんなの足を塩素消毒するわけですね。

 

薄暗いし、灯りを直視すると眩しいし、鏡も多いし、肌に触れる質感も異様だし、音もすごいし、香りもするし、様々な刺激が押し寄せてきます。正直酔う。

《The Infinite Crystal Universe
f:id:Melonpankuma:20181023191123j:plain

下が鏡張りなのでスカートは厳しいものがあります。
f:id:Melonpankuma:20181023191126j:plain
写真や動画を撮ってはみるものの、全く伝わる気がしないのが面白い。特別な時間を過ごすことができました。

キラキラした部屋を出ると、またも水。しかも、結構深い。
f:id:Melonpankuma:20181023191130j:plain

《水面に描かれる鯉と花》
f:id:Melonpankuma:20181023191132j:plain

白濁した水に鯉や花が投影されます。

youtu.be

f:id:Melonpankuma:20181023191135j:plain

膝下まで水があるので、濡れるんじゃなかと冷々しました。
f:id:Melonpankuma:20181023191139j:plain

《自由に浮遊する光の球体》
f:id:Melonpankuma:20181023191141j:plain

他にも様々な部屋がありました。

実のところ、滞在中私はずっとブチブチ文句言い続けていました。刺激が洪水のように押し寄せてきて、自分の感覚を奪われてるのが苦手で。ここはそれを楽しむとこなんだと分かっていても慣れるまでかなり時間を要しました。ある程度リラックスして楽しめたのは、終盤間際のこのバルーンの部屋くらいだったかも。視界が限られるからよかったのかもしれません。

 

手も足も水ですっかりふやけて展示会場を出ました。所要時間、1時間半程度でした。友人は大満足していたので、案内できて良かったと思います。

春日権現験記絵-甦った鎌倉絵巻の名品-@三の丸尚蔵館

すっかりブログの更新が停滞していますが、前と変わらず、展覧会には足繁く通っています。最近自分好みの展示会が少ないので、特別展を待ち望むことが少なくなっては来ていますが、決して博物館通いに飽きたわけじゃありません。トーハクには相変わらず通っています。しかし、このブログを更新するモチベーションが下がり気味なのは事実で、観たもの全てを記録するのは諦めました。

 

皇居ランついでに、三の丸尚蔵館で開催中の「春日権現験記絵-甦った鎌倉絵巻の名品-」展を前後期合わせて三回観に行きました。
f:id:Melonpankuma:20181002092531j:plain

春日権現験記絵》は、藤原氏氏神春日権現の霊験を描いた鎌倉時代の絵巻物で、時の左大臣西園寺公衡(きんひら)の発案で高階隆兼(たかしなたかかね)によって描かれ、春日大社に奉納された全21巻です。付属の目録によって制作時の事情が明確なこと、付属品及び全巻が揃っていること、芸術性、歴史性、稀少性といった面から国宝級とされる名品です(慣習として御物・宮内庁管理の文化財は国宝の指定対象外とされています)。

本展示は13ヵ年をかけて行われてた保存修理が完了した記念として公開されたものです。絵巻の表紙裂の復元には皇后陛下が紅葉山御養蚕所でお育てになった小石丸の生糸を用い、軸首に施した螺鈿重要無形文化財保持者の北村昭斉氏をはじめとするなど、修復には日本文化の伝統を継承されてきた方々の総力が結集されたそうです。こういう事業自体、材料や技術の継承が行われることも、文化を後世に伝える大切な役割であると思いました。

 

展示は前期、後期で展示替えをしつつ全20巻のうち15巻に及ぶ大変贅沢なもの。さらに、会場で配布されたリーフレットは各巻のあらすじが掲載され、大変わかりやすいものだったので、これだけでもかなり得した気分になりました。

修復されたばかりの絵巻は大変美しいものでした。とても700年もの月日が流れたとは思えない程に見事で色彩も鮮やかです。この時代の大和絵にはとても心惹かれます。第19巻の「雪の御笠山と春日奥山」なんてどれだけ見ていても見飽きないほど。この美意識が日本で教養として受け継がれるスタンダードであってほしかったなあ。

過去に高階隆兼の作品は何度か見ていて、個々の作品は強烈に覚えているのに、絵師の名前はさっぱり頭に残りませんでした。とにかく覚えにくい。似た音が重なるからでしょうか?なんとか名前を覚えてからも、一度脳裏に浮かんだ漢字を改めて音読しなおして口にしているような状態です。

大して広くない展示室なので巻物を広げられるスペースはそれほどないし、それなりに混雑もしていますので、気に入った場面があっても長く腰を据えて観る雰囲気ではないのが残念。それでも、本作品をこれほどまで多く観られる僥倖を得て大変楽しく過ごせました。

「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ@出光美術館

7月末から始まっていたにも関わらず、なまじ近いためにいつでも行けると放置しておいたら会期半ばになってしまい、あわてて訪問。楽しみを後回しにしてしまう性格が仇になっています。
f:id:Melonpankuma:20180827182153j:plain

出光美術館です。今回、「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ(キャッシュ)を観に行きました。

f:id:Melonpankuma:20180827182154j:plain

古来、交通の要所であったとはいえ地方都市のひとつにすぎなかった江戸は、徳川家康(1543 - 1616)の移封と開府をきっかけに、目まぐるしい発展をとげてゆきました。勢いを増す都市の景気は、絵画制作のかっこうの動機となったとみえ、その活況をとらえるいくつかの絵画が今日に伝わっています。
(中略)
本展では、「江戸名所図屏風」のほか、江戸の町を題材にした絵画の数々をとおして、画面にみなぎる新興都市の活気をご覧いただくとともに、京都の姿をとらえた絵画(洛中洛外図)に替わる新たな都市景観図の成立と展開、絵画史的な意義や絵画そのものの魅力に迫ります。

続きを読む

日本美術の流れ@東京国立博物館 本館

霧雨の東京国立博物館です。
f:id:Melonpankuma:20180815165536j:plain

あまりに暑いよりは、日差しがない分雨の方が救われます。

続きを読む

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展@三菱一号館美術館

展示の評判がよさそうなのと、紹介されていたカフェのデザートメニューが魅力的だったので、三菱一号館美術館に行きました。この日は猛烈な暑さになったので、日差しを避けて、東京駅南口から地下を通って三菱一号館美術館に行きました。天気の悪い日でも行ける美術館は貴重です。

 

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展は、フランスのハイジュエリーブランド、ショーメ(Chaumet )の歴史と伝統、職人の技術を紹介する展覧会です。

mimt.jp

チケット売り場には行列があって、さらに入場制限がかかっていました。評判が良いのは聞いていたけれど、まさかそんなに混んでいるとは思っていなかったので驚きました。とはいえ、10分も待たずに入れましたけどね。

続きを読む

和のあかり展@目黒雅叙園百段階段

夏の恒例イベント、目黒雅叙園の百段階段の和のあかり展に行きました。例年七夕の時期に行くのですが、今年はスケジュールが合わなくてお盆前にようやくです。回廊の七夕飾りはとっくに片付けられていました。

百段階段の受付前です。
f:id:Melonpankuma:20180815165625j:plain
会期が長いこともあって、それほど混雑していませんでした。

www.hotelgajoen-tokyo.com

f:id:Melonpankuma:20180815165626j:plain
螺鈿のエレベーターで上がると眼の前に暖簾が掛けてあり、いつもと雰囲気が違いました。和のあかり展に行くのは今回で4度目ですが、いろんな趣向があって飽きずに楽しめます。

今年も階段にはコケシがずらり。しかも全てお布団つき。
f:id:Melonpankuma:20180815165627j:plain
ひとつひとつお顔が違うので、お気に入りを探しながら一段一段進みます。

最初のお部屋、十畝の間です。
f:id:Melonpankuma:20180815165637j:plain
日本画家、間島秀徳氏の豪快な水流に囲まれ、中央には折花作家、三谷基氏の白く輝く花々、その周囲に土のかまくらプロジェクトによるかまくらと林貴俊氏のコケシたち。
f:id:Melonpankuma:20180815165628j:plain

漁樵の間には大迫力の青森ねぶたが浮いていました。
f:id:Melonpankuma:20180815165629j:plain
何もない時でさえ豪華な彫刻に圧倒される部屋なのに、巨大ねぶたの光でさらに迫力倍増。浮いて見えるのは、光沢のある床材を置いてあるからです。

草丘の間は、MIRRORBOWLERによるインスタレーションアートできらめいていました。
f:id:Melonpankuma:20180815165630j:plain
ミラーボールの中心に見える輝くような白い花は、かんざし作家榮氏のアメリカンフラワー作品です。

静水の間では早川鉄兵氏の切り絵作品が並びます。
f:id:Melonpankuma:20180815165632j:plain

アクリル板の切り絵もありました。淡い色彩に光が抜けて素敵です。
f:id:Melonpankuma:20180815165631j:plain

清方の間には銭湯絵師の中島盛夫氏の屏風がありました。
f:id:Melonpankuma:20180815165633j:plain
画材はペンキでしょうか。富士山を描ける貴重な銭湯絵師の一人です。

そして、上出長右衛門窯上出惠悟氏の笛吹湯呑。
f:id:Melonpankuma:20180815165634j:plain
ブラックライトを当てると、骸骨だけが光ります。

昭和レトロ図絵師の安楽雅志氏の「大砲ビール」は直球で夏ですね。
f:id:Melonpankuma:20180815165635j:plain
その隣には山田全自動氏の笑いある漫画もありました。

頂上の間はどの部屋よりも涼しげ。
f:id:Melonpankuma:20180815165636j:plain
足元は青いタイル貼りで砂浜の浅瀬が現され、天井には篠原風鈴本舗の江戸風鈴がそよぐ空間に、一葉式いけばなの粕谷尚弘氏の作品が置かれていました。タイルの冷たさが気持ちよくて、このまま眠ってしまいたくなるほどでした。