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徴古館と神宮美術館:お伊勢詣 その8

徴古館

内宮と外宮を結ぶ御幸道路の中ほどにある倉田山。倭姫宮を詣でた後、西の鳥居から出ると、目の前に堂々とした石造り洋館が現れた。まるで小さな赤坂離宮のよう。
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庭園正面に回る。
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徴古館は、明治42年、神宮の由緒と日本文化に関する資料を陳列する「歴史と文化の総合博物館」として開館した。

 

建物は片山東熊・高山幸次郎の設計。当初は、ベルサイユ宮殿を模した前庭を持つルネッサンス式の西洋風建築とされ、東京国立博物館表慶館同様、正面中央にドームを配した高い屋根を持つ鉄筋コンクリート造の平屋、中央奥に貴賓室が配されていた。第二次世界大戦の際に宇治山田空襲で炎上し、収蔵品は全て焼失、建物は外壁を残すのみとなった。昭和28.年(1953年)の式年遷宮を記念し、外壁だけ残っていた状態から修復したが、屋根のドームや貴賓室は再建されず、鉄筋二階建てに変更された。

前庭は迎賓館や新宿御苑の宮廷庭園を多く手掛けた市川之雄による。徴古館二階の休憩室から見るとハート型に見える。

 

展示は、遷宮で撤下された古い御装束神宝、正殿模型、外宮御垣内の御饌殿の部分実物模型、遷宮で解体された本殿の千木・鰹木などが展示されている。その他、戦国時代の式年遷宮復興に尽力した慶光院の清順や周養の勧進についても紹介されている。

隣接する別館では、御代替りを受けての奉祝特集展示として「御大礼」の特別展示があり、御大礼に伴う諸儀式の展示があった。

神宮美術館

徴古館を出て、すぐ隣にある美術館へ向かう。
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徴古館で迎賓館赤坂離宮を意識したせいで、こちらは赤坂離宮別邸のように見えた。

 

設計は大江宏で、日本の伝統的な建築様式を意識したものになっている。銅版葺の錣屋根は緩やかな勾配を保ち、車寄せは唐破風の曲線、美術館とは思えないほど広い窓があって、庭園の池や緑を眺められる造りになっている。

 

展示は式年遷宮を奉賛して伊勢神宮に奉納された絵画・書・彫塑・工芸を収蔵・展示している。今回は、平成29・30年度奉納品の展示であった。

 

疲労がピークに達し、農業館は断念しました。