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ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展@三菱一号館美術館

展示の評判がよさそうなのと、紹介されていたカフェのデザートメニューが魅力的だったので、三菱一号館美術館に行きました。この日は猛烈な暑さになったので、日差しを避けて、東京駅南口から地下を通って三菱一号館美術館に行きました。天気の悪い日でも行ける美術館は貴重です。

 

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年に始まるエスプリ展は、フランスのハイジュエリーブランド、ショーメ(Chaumet )の歴史と伝統、職人の技術を紹介する展覧会です。

mimt.jp

チケット売り場には行列があって、さらに入場制限がかかっていました。評判が良いのは聞いていたけれど、まさかそんなに混んでいるとは思っていなかったので驚きました。とはいえ、10分も待たずに入れましたけどね。

入場制限しているだけあって、展示室はかなり混雑していました。メモも取らずに回ったので、強く印象に残ったものだけ記録として残します。

歴史の中のショーメ

壁に《戴冠衣装の皇帝ナポレオン1世》と《植物図鑑に手を置く皇妃ジョゼフィーヌの肖像》が飾られています。見事な肖像画にも見惚れますが、そこに描かれたジュエリーの実物が横に並べて展示されていて、それだけで「ほー」と感嘆するのでした。

横の小部屋には《 皇帝ナポレオン1世より贈呈された教皇ピウス7世のティアラ》がありました。ショーメの創業者ニトと息子のフランソワ、金銀細工職人アンリ・オーギュストが共同制作したものです。これほどまでに大きくて豪華だと、実物だとわかっていても変に現実味が失われ、重そうとしか感想がなくなります。

黎明期のミューズ

皇妃ジョセフィーヌが植物を愛する人だったので、ショーメのジュエリーにも植物モチーフが多く用いられています。そのうちのひとつが、本展メインビジュアルになっている《麦の穂のティアラ》です。麦はローマ神話における農耕を司る女神ケレスのアトリビュートであり、繁栄と多産の象徴でもある。

戴冠!ティアラの芸術

このコーナーは撮影可。壁にはティアラの見本であるニッケル製のマイヨショールがずらりと並べられ、ショーケースには数々の眩い光を放つティアラが入っています。ケースの前にロープが貼られていて、大勢の人が最前列でティアラを見るために並んでいました。
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羽の形をしているのが《ペイン・ホイットニー夫人(カートルード・ヴァンダービルト)の翼のティアラ》、その左は《「ロイヒテンベルク」として知られるティアラ》です。
これだけの量のキラキラするものを目で追っていると、つい忘れがちですが、これ本物なんですよね。

旅するショーメ

ホープ・カップ》
注文主は、呪いのダイヤモンドを所有していたことで知られるホープ家。カラードストーンに、ギリシア神話に出てくる英雄ペルセウスにまつわる話が彫り込まれている。
ちょうど宮川香山が活躍した時代と同じくらいで、なるほどなと思う。

《バヤデール・ネックレス》
ケシ真珠をつなげたネックレスで、房飾りの先端にサファイアが使われている。

自然を披露する

《タコのネックレス》
ダイヤモンドで飾られたタコが藻にからみついている。こんな大胆なデザインは、一体どんな衣装に組み合わせて使われたのでしょう。

身につける芸術=ジュエリー

《ストマッカーとしても着用可能なショーメのティアラを身に着けた前田菊子侯爵夫人の写真》 
ロンドン日本大使館武官前田利為侯爵の妻、前田菊子侯爵夫人のポートレートが飾られていました。夫人の額には豪華なティアラが着けられていました。ティアラの中央の飾りは胸元を飾るアクセサリーにも使えるのだとか。

このコーナーには、ヘッドドレスやチョーカーにも使えるティアラが何種類も展示されていたのを観て、故ダイアナ妃がチョーカーをよくヘッドアクセサリーにしていましたのを思い出しました。

キネティック・アートとしてのジュエリー

こちらには、動きのあるデザインのアクセサリーが並びます。

 《ハチドリのエグレット》
ルビーとダイヤモンドを敷き詰めてハチドリが象られた頭飾り。尾羽根がゆらめき、大変豪華です。

遥けき国へーショーメと日本

19世紀後半欧州のジャポニスムは流行に敏感なショーメもデザインに取り込みました。

マリー・アントワネットの日本の漆器コレクションの硯箱》
ショーメ創業者のニトはマリー・アントワネット漆器コレクションを管理し、漆器の鑑定もしていたことから、今回漆器の展示もありました。

《日本に着想を得たネックレス》
「レ モンド ドゥ ショーメ」コレクション シャン ドゥ プランタンは、本展のために特別に制作されたハイジュエリーコレクション。南天のような赤い実を付けた植物モチーフがダイヤモンドとルビーとオニキスで象られていました。

 

三菱一号館美術館といったらCafé 1894でしょと思って向かってみましたが、展覧会同様こちらも大人気。入り口で名前を書いて一時間待ちでした。
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ショーメ展タイアップデザート、ビジューエキゾティックを頂きました。
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真珠や宝石が散りばめられたようなデセール。飴細工がキラキラして綺麗でした。