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常設展@岡田美術館

開花亭で一休憩した後、岡田美術館の常設展に向かいました。
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一階、二階の陶器類の展示替えはなさそうなので飛ばして、前回来た時にはなかった二階の歌麿の複製から見ることにしました。

2階 日本絵画

《1 品川の月(複製) 原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:天明8年(1788)頃》
貸出禁制のフリーア美術館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、品川宿の妓楼相模屋の二階桟敷描いたもの。左奥にシルエットで客の姿。欄間の書や衝立などの調度品も豪華。

《2 吉原の花(複製)原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:寛政3~4年(1791~92)頃》
ワズワース・アセー二アム美術館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、吉原遊郭の大通りにある引手茶屋に集まる52人もの女を描いた華々しい絵。

《3 深川の雪(複製)原本:喜多川歌麿 原本:江戸時代 原本:享和2~文化3年(1802~06)頃》
本館所蔵作品の複製。原本は歌麿の肉筆画で、深川にある料亭の辰巳芸者が描かれている。

3階 日本絵画

金屏風

《4 松に鶴図屏風 狩野派 江戸時代初期 17世紀》
金地に金銀の切箔や野毛が散りばめられている部分があり、輝きが大変豪華。

《5 鞍馬・厳島図屏風 江戸時代前期 17世紀》
右隻に鞍馬、左隻に厳島の名所や風俗を描いた一双。鞍馬では花見や闘牛、厳島では喧嘩や鹿の群れが目立つ。

《6 春秋図屏風 森徹山 江戸時代後期 19世紀前半》
土筆、菫、桜、鳥、水流が描かれた屏風。雰囲気が好み。

《7 紅白梅図屏風 江戸時代前記 17世紀》
竹垣越しの紅白梅。新芽が四方八方に伸びて紅白の梅が咲き誇る。まるで花火のような勢い。

《8 扇面散図屏風 伊年印 江戸時代初期 17世紀》
四季の花や歌仙が描かれた扇面。背景は金地に墨でコントラストが入っている。扇面の散らし方にリズムがあるのが面白い。

《9 燕子花図屏風 神坂雪佳 大正~昭和時代前期 20世紀前半》
銀色の水流による透明感が印象的です。

水墨画

《12 山水図 曾我蕭白 江戸時代中期 18世紀後半》
一対の山水画。極細サインペンで描いたような筆感が面白い。近、中、遠を三濃淡でかき分けている。

13 飲中八仙図屏風 曾我蕭白 江戸時代中期 18世紀後半》
一扇ごとに、杜甫が『飲中八仙歌』に詠んだ伝説の酒豪らをコミカルに描いたもの。

《14 鯰図 長沢蘆雪 江戸時代中期 18世紀後半》
縦長の画面を上から下に肢体をゆらめかせて進む鯰を描いている。長いひげ、太い体が作るゆるやかなカーブが、おだやかな雰囲気をもたらしている。

【特集】戌年を祝う子犬大集合

《18 子犬に蕨図 円山応挙 江戸時代 安永8年(1779)》
蕨の生える斜面に五匹の仔犬。蕨と子犬は宗達にも由来する組み合わせ。

《19 子犬に綿図 円山応挙 江戸時代 中期18世紀後半》
綿の実と同じくらい柔らかそうな二匹の仔犬。白犬は柔らかい線画で、赤犬は一本一本の毛を丁寧に描いている。赤犬の、白目が見えるほど後ろに引いた耳に、臆病な性格がみえる。

《20 子犬図 円山応挙 江戸時代 安永5年(1776)》
雪の上で遊ぶ三匹の仔犬。白黒の背中に白犬が乗り、その奥に黒犬。

《23 群犬図 円山応挙 江戸時代 安永2年(1773)》
番の犬の周りに一三匹の仔犬。どれもころころとして、愛らしい。

《24 群犬図屏風 長沢蘆雪 江戸時代中期 18世紀後半》
背景に金銀の砂子が用いられた華やかな屏風。母犬と五匹の仔犬が描かれている。応挙のよりものんびりとした表情。

東海道五十三次蒔絵書箪笥 江戸時代 19世紀》
日本橋の袂に確かにいる。単眼鏡でかろうじて見えるくらい。拡大表示したパネルがなければとても見つけられなかった。

名所絵

《31 東海道五十三次(6図のみ展示) 歌川広重 江戸時代 天保4~5年 (1833~35)》
展示は、三十番目の宿場町、舞坂から御油までの六図。御油の、留女が旅人を引っ張り込もうとしている絵は何度見ても面白い。

《33 名所鳥瞰図屏風 佐久間草偃 江戸時代中期 18世紀末期》
右隻には京都あたりから東を見た鳥瞰図で、琵琶湖、伊勢湾、富士山など広大な風景が広がっている。あまり描かれない方向だったのと、想像を超えた広さに、一瞬どこを描いているのかわからなかった。左隻は住吉大社の御田植や天神祭の船渡御など関西地方の祭りが描かれていて、大変賑やか。

近現代の絵画

ウェブサイトの目録と展示が異なりました。

《瀑布の図 菱田春草 明治時代後期 20世紀初頭》
縦長の画面いっぱいに描かれた瀑布。滝壺は朦朧体で、滝の周りはパレットナイフで描いたような長方形の光が印象に残る。

《松間の月 菱田春草 明治時代後期 20世紀初頭》
砂浜に植わったやや傾いだ細い5本の松。シルエットが月の光に浮かび上がる。

 

岡田美術館の常設展目録はウェブサイトからダウンロードができます。受付や展示室にプリントアウトの用意がない上にスマホの持ち込みもできないので、メモを取るのに苦労しました。前回も同じ目に合っているのに学習していない。本当は施設側で準備してほしいものですが、客あしらいを見ると期待できそうにないので、次はプリントアウトして持ち込もうと思います。

 常設展で頭も足も疲れたし体もすっかり冷えたので、足湯に行って休憩。
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この日は曇りの天気予報で、午後から気温が上がると思っていたのですが、なかなか暖かくなりません。風も出てきてますます寒い。もう一枚着てくるべきでした。

寒いけど甘い物も食べたい。
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足湯の暖じゃ足りなかったようで、この後お腹を壊しました。