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常温常湿希望

温度20℃湿度50%が理想です。

北方民族博物館

工芸 民俗博物館

急遽、旅行に行けることになったので、JALどこかにマイルに申し込みましたところ、徳島、秋田、釧路、女満別の4択で女満別空港に決定しました。いつもの半分6000マイルで行けるなら、どこだってありがたい。

しかし、出発前日北海道の天気は大荒れ。札幌なんて50年ぶりの積雪とかいう状態で北海道・東北地方は軒並み欠航。当日も午前中の北向きの便は絶望的な雰囲気でしたが、女満別行きは途中で引き返す可能性を残しての条件付フライトとなりました。心中穏やかでない空の旅でしたが、無事に女満別に到着。機長、グッジョブです!

 

かくして、吹雪の中、網走市北方民族博物館に行きました。この時、網走市の気温はマイナス1度で、風速8メートルでした。外で写真を撮ろうもんなら頬に粉雪が石礫のように当たって痛いのなんの。

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天気の悪い日ほど博物館はありがたく、いつでも完璧な空調です。暑いのを嫌って精密機械を扱う仕事に就いたくらい軟弱な私に、博物館巡りはぴったりの趣味だと今さらながら思います。

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展示室入り口の前に「いろいろな毛皮の手触りを体験してみよう」と動物の毛皮が置いてありました。

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アザラシの毛皮は硬く丈夫そうで、毛並みに沿って触るとつるつるしています。トナカイのは厚みと弾力があっていかにも暖かそう。これは着てみたい。そして、クロテンの毛皮は柔らかくて繊細。直に柔らかい肌に使いたくなります。この毛皮がどれほどまでに北国の暮らしに必要なものか、吹雪の中を来たので実感しました。

 

展示室入り口です。

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お面のようなものが飾ってありました。
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さよなら絶望先生のうろおぼえのペンギン!(違

 

北のクロスロード

人類の北への進出には暖かい衣類を作る技術が欠かせませんでした。そこで、「北のクロスロード」のコーナーでは北方民族の意匠が展示されていましたが、それが実に素敵な展示で、まるでアウトドアブランドのブティックみたい。民族衣装の展示とはいえ、おしゃれなものばかりです。

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《ナーナイ花嫁衣裳》

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帽子からブーツまで凝った刺繍が施されています。背中に氏族の繁栄を願う「氏族の木」の文様がありました。

ウィルタ族の衣装。》
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暖かそうだし、なによりデザインがかわいらしい。これは着てみたくなります。

 

特殊な素材を使った服も展示されていました。

《腸製衣》
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アラスカのイヌイト族が作るアザラシの腸を使った防水製の服です。

水上での漁や舟旅のさいに、着用される防水性に富んだこの衣服は、おもにアザラシの腸から作られる。チュクチやアリュート、イヌイトなど北太平洋から北極海沿岸で海獣狩猟を行う民族に多くみられ、腸の継目は水の侵入を防ぐように厳重に縫い合わされている。

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防水紙のような質感です。

 

《魚皮衣》
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沿海州のウリチ族の衣服です。

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近づいてみると模様がおしゃれです。どれくらい柔らかくしてあるのか、触って確かめたかったなあ。

 

《樹皮衣》
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アイヌ刺繍です。色も刺繍も質素ですが、このなにやら不思議とデザインに惹かれます。それにしても、実に固そう。防寒性は期待できそうにないので、こういうのは夏用なんでしょうか。

高緯度にありながら比較的温暖で、樹木の多い北アメリカ北西海岸では、木の内皮を割いて織った衣服が用いられていた。素材はヒノキ科の針葉樹が多く、ケープや巻きスカートのような単純な形をしている。また、アイヌには、オヒョウなどの木の内皮やイラクサなどの草から織ったアツシとよばれる服がある。

 

《イヌイトの竪穴住居》
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左側が入り口になりわずかに膨らんでいる部分(犬が休んでいるあたり)が通路(トンネル)。その下に空間があって貯蔵庫になっている。地面に丸く飛び出して掘られている部分が台所。右が居住空間の主室。約5畳で5名程が暮らす。屋根にはアザラシの腸で作った天窓がある。

この復元住居は、北アラスカの海岸地域に住むイヌイト・タレウミウトの一家族用の伝統的な冬の住居をモデルとしている。

永久凍土を掘り、そのなかに流木や鯨の骨などで枠組みを作り、最期に全体をおおうように芝土をつみあげて作る。最も深く作られたトンネル部分には、外の寒気が居住空間に入るのをさえぎる効果があり、またそこには台所や貯蔵スペースがもうけられている。ただし、実際のトンネルはもうすこし長い。

通路(トンネル)部分と台所。横に渡した梁の支柱は鯨の下顎骨。台所の木が組んであるところに吊るしてあるのは鯨の肩甲骨で、それが台所の屋根になる。

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環境と調和した北のくらし

このコーナーにあるマジックビジョンでは18世紀のグリーンランドの一年を紹介するビデオがありました。冬はアザラシ狩りをし、氷が溶けるとカヤックで移動し、夏の居留地では川を遡上する魚を獲ったりベリーを採集していました。冬と夏で居留地を移動する生活は、まさに限られた食料を巡っての暮らしです。

そんな狩猟生活の中で、動物界を支配する神の概念が発達します。クマ送り(イヨマンテ)やシャマニズムの儀礼に使われる道具や衣装の展示もありました。

《呪術用護符 イヌイト族 グリーンランドf:id:Melonpankuma:20161226170106j:plain
かわいい。ミュージアムショップで売ってたら、レプリカでも絶対買うのに。

 

アザラシ狩りのビデオもありました。f:id:Melonpankuma:20161226170101j:plain
犬が役立ったり邪魔したりしているのが面白かった。

《雪眼鏡 イヌイト族》

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北の自然の中で

最後のコーナーには、文化の継承として、伝統的な装飾を施した工芸品が展示されていました。
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サミ族の伝統文様が入ったトナカイ角製スプーンです。

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このスプーンもほしかった。

 

まだまだたくさん写真を撮ったのですが、限がないのでこの辺まで。こちら、期待以上に楽しめて大満足。工芸品などが好きな方には必見の博物館でした。