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丸山応挙-写生を超えて-(前期)@根津美術館

六本木・青山・広尾 日本画 日本美術 東京23区内 根津美術館

根津美術館の応挙展に行きました。

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円山応挙(1733〜95)は、「写生」にもとづく新しい画風によって、日本の絵画史に革命を起こした画家です。そんな応挙の「写生画」は、超絶的かつ多彩なテクニックによって支えられています。しかし近年、写生ないし写生画という言葉だけではとらえきれない応挙の多面性、作品世界のバックグラウンドが指摘されることも多くなっています。
 本展は、応挙の生涯を代表する作品の数々を、根津美術館の展示空間の中であらためて見つめ直そうとするものです。あわせて、さまざまな可能性を秘めた若き日の作品、絵画学習の痕跡を濃厚にとどめた作品、そして鑑賞性にも優れた写生図をご覧いただきます。「写生」を大切にしながらも、それを超えて応挙が目指したものは何だったのかを探ります。

 

紅葉シーズンだし、特別展が日曜美術館に取り上げられて、とても混雑していると聞いていたので開館10分前に着いてみたら、すでにこの行列。100人くらい並んでいたでしょうか。

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開いてみたら、入場はスムーズでした。

 

以下、応挙展前期展示で気になったものを以下に示します(◉は国宝、◎は重要文化財、◯は重要美術品)。

1《芭蕉童子図屏風 2曲1隻 紙本墨画淡彩 明和6年(1769)》

応挙が立体物の捉え方として石を例に「石見三面事 上一面、左右二面、合三面」と言ったそうだが、左画面にいる三人の子供の顔も様々な視点で描かれている実験的作品。対角線を意識した構図。芭蕉と童子のモチーフは、後の郭子儀図襖を連想する。

 

10《牡丹孔雀図 1幅 絹本着色 安永5年(1776)》

応挙の孔雀は翼の青と華やかな飾り羽が美しく、雌雄の首の立体感を際立たせるポーズが見事。美しい体から頭に視線を移すと、思いがけず顔が獰猛なのに驚く。

 

12《西施浣紗図 1幅 絹本着色 安永2年(1773)》

花の下を流れる川で洗濯をする越の美女、西施の絵。木から落ちる花びらに目を止める姿が美しい。豊かな髪に細めた目、細っそりした顎、首、肩。

美智子妃殿下のお姿に似ているような気がして、印象に残りました。

 

17《◎雨竹風竹図屏風 6曲1双 紙本墨画 安永5年(1776)》

雨も風も描かれていないが、右隻の竹は雨に打たれて葉を垂らして茎もしなり、左隻の竹は風に吹かれて葉が舞っている。屏風の折れ方に応じて遠近をたくみに書き分けた構図。

 

18《◎藤花図屏風 6曲1双 紙本金地着色 安永5年(1776)》

17の直後に描かれたと思われる作品。金地に二本の藤。支柱は省略されている。輪郭線を用いず、複雑な曲線をなす幹は一気に描かれている。垂れ下がる藤の花や葉は細やかで写実的な描写。

大胆さと繊細さ、構図の美しさがぬきんでていると感じられた。

 

20《◉雪松図屏風 6曲1双 絹本墨画淡彩 天明6年(1786)頃》

雪に輝く松を描いた応挙の代表作。紙の白さを生かして書き残しで雪に見立てて立体感を表した。

金地に光る雪の白さと松の幹の黒のコントラストに圧倒される。屏風から離れてみると雪の白さと細密な描写に目を細めるが、近寄ってみると松葉の他に描き込みがなく、思いの他、荒々しい筆遣いに驚く。大画面であるほどに、応挙には唸らされる。

 

23《木賊兎図 1幅 絹本着色 天明6年(1786)》

トクサと三匹の兎。世阿弥謡曲「木賊」からの連想で月を連想させる。繁殖力が旺盛なトクサと兎は、ともに子孫繁栄のモチーフ。

謡曲木賊は、父を尋ねたいという少年松若を連れた都の僧が、少年の故郷信濃へ下り、木賊を刈っていた老いた父を見つける話。

1と同じく三方向から描き分けた兎。その体毛細密に描かれている。

 

24《西王母龍虎図 3幅 絹本着色 天明6年(1786)》

12の西施と異なり、この西王母は顔が丸みを帯びて和人好み。虎は張子のように前足を突っ張って背中を大きく盛り上げている。実物大の毛皮を写生したのが残っているだけあって、毛並みの表現はさすが。

 

26《老松鸚哥図 1幅 絹本着色 天明7年(1787)》

松の老木に赤いインコが止まっている画。赤が目に残る。8倍の単眼鏡で見ると塗りつぶされているわけではなく、赤の中にびっしりと羽毛が描きこまれていた。

 

28《○龍門図 3幅 絹本着色 寛政5年(1793)》

鯉は、黄河中流の危所、龍門の急流を登りきると龍になる登竜門の言い伝えがあり、立身出世の象徴。水面の光の屈折までをも描く写実性が見事。中央の1幅だけが長く、垂直方向がより強調させられる。

 

35《杓子定規図 1幅 紙本着色 明和元−3年(1764−66)》

杓子定規とは、すべてのことを一つの標準や規則に当てはめて処置しようとする、融通のきかないやり方や態度のこと。女が先が丸い大きな杓文字を手に、反物を切ろうとしている。

 

42《花開蝶自来図 1幅 紙本墨書淡彩 寛政5年(1793)》

書、花開蝶自来(はなひらかばちょうおのずからきたる)の蝶の部分には文字がなく、三匹の紋白蝶が描かれている。

 

47《◎七難七福図 巻3巻 紙本着色 明和5年(1768)》

大乗仏教における経典のひとつ仁王経に記されている「七難即滅、七福即生」を描いたもので、「太陽の異変、星の異変、風害、水害、火災、干害、盗難」
が、ただちに消滅し「寿命・裕福・人望・清廉・愛敬・威光・大量」の七つの福が生まれるの意味。これを応挙は天災、人災、福の三巻で完成させた。

人災の中巻で盗賊、追剥の場面が執拗なほどに残虐に描かれていたのが印象に残りました。私が見ている時に、小学校に上がったかどうかくらいの子供が展示室に入って来て、こんなものを目にしては問題があるのではと、余計な心配をしました。

 

根津美術館はうちから行きやすい場所にあるにも関わらず、この展示が始まってもなかなか足が向きませんでした。というのも、円山応挙にさほど興味がなかったからです(ただ、郭子儀図襖は一度写真で見て強烈な印象を持っていましたが)。展示を見終わった今はその理由がよくわかります。現代美術を知っている私達には、この立体感が見慣れてしまっているんですよね。気づきませんでした、教科書的で面白みにかけると思っていた応挙の画が、実は応挙の生きた時代において画期的なことだったということに。実際に見ると、応挙が切り開いた立体感がリアルに感じられる日本画はすばらしいものでした。

 

特別展を一巡りしたら、混雑する前に nezu cafeでミートパイ。

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11時過ぎると、ずらりと行列ができていました。カフェのご利用はお早めに。

 

お庭では紅葉が楽しめました。

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お池に映る紅葉に見とれます。

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しかし、見ごろは先週だったようで、紅葉が過ぎて黒ずんでいるところが目立ちました。来年は11月中旬に来ようと思います。

 

この後、青山のsousouでお買い物。

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ここ来ると、どれもこれも欲しくなっちゃうのよねえ。危ない、危ない。